帽子のマナー
帽子に関するエチケットは、単純化すると屋外でかぶり、屋内で脱ぐとなる。
屋内に入ったときは外套と一緒に帽子を脱ぎ、再び外に出るときに身に着ける。このエチケットは軍隊のそれに準じており、入隊教育の中で新兵は帽子の取り扱いについて、講義を受ける。
軍隊では戦闘中で無い限り、帽子は屋内だけでなく、艦船の中でも脱いでいなくてはならない(旧ドイツ国防軍の様に、上官に対する時の無帽は軍規違反になる軍隊もある)。また、敬礼の1つとして帽子を取ることがある。
これ以外の状況では、葬式や国歌斉唱、食事などが帽子を脱ぐべき状況である。
男性の挨拶として帽子に手を当て軽く前に傾ける・一瞬だけ持ち上げ掲げるという方法がある。
女性の場合、帽子は正装の一部と見做されている為この挨拶をする必要は無く(というより絶対帽子は脱いではならず)、小さくお辞儀をする・スカートをつまみ、小さく身を沈める(右脚を引いて屈む)などで十分である。
キリスト教の教会では男性は帽子を取ることが求められるが(女性は帽子を取らないのがエチケット)、シナゴーグでユダヤ教徒は帽子を取る必要は無く、モスクでイスラム教徒も帽子を取る必要は無いように宗教ごとに帽子に対する態度は様々であるが、いずれも神への敬虔さを示すという点で一致している。
キリスト教徒が帽子を脱ぐのは、膝を付くことや頭を下げることと同じ意味であり、神に対する敬虔さからである。
ユダヤ教徒はタルムードにより独特のキッパーをかぶることが決められている。これも唯一神の偉大さと人の矮小さを被る者に認識させるためである。
ハンチング帽
ベレー帽(ベレーぼう)とは、ウールフェルト(当初はウール)製の、軟らかく、丸くて平らな、鍔や縁のない帽子である。
向かって右側(着用者本人から見て左側)を立てる場合が多いが、一部の国などでは反対側や正面を立てる場合もある。
制服の一部として着用する場合、立てた側にベレーバッジと呼ばれる帽章を取り付けることが多い。 元々はスペインのバスク地方で民族衣装の一部として使われていたものであったが、第二次世界大戦頃から軍隊に普及し始め、現代では世界各国の軍隊において広く用いられている。
また、画家などの芸術家にも愛用されてきた歴史がある。 日本では漫画家の戯画的なイメージとしてベレー帽を被った姿が大衆文化の中である程度定着している。
これには、手塚治虫や藤子・F・不二雄などの人気漫画家達がベレー帽を自らのトレードマークとし、自分自身や漫画家キャラクターを作中に登場させる際にもベレー帽を被った姿で表現したことの影響が強いと思われる。
日本の漫画家の間でベレー帽が流行した時期があった、という記述もある。
烏帽子
初期は薄い絹で仕立てたものだったが、のちに黒漆を塗った紙製に変わる。
衣装の格式や着装者の身分によっていくつかの種類があり、厳格に使い分けた。
正装の際にかぶる冠より格式が落ち、平安から室町にかけては普段着に合わせて着装した。
本来男性用であるが白拍子など女性が被る場合もある。 平安以降、次第に庶民にも普及し、鎌倉から室町前半にかけては被り物がないのを恥とする習慣が生まれた。例えば「東北院職人歌合絵巻」には、身ぐるみ失った博徒がまだ烏帽子を着けている様が描かれている。
しかし戦国時代以降、逆に日常は髷を露出し被り物を着けないのが普通となった。
近代になると烏帽子を固定する髷がなくなったため、頭にすっぽりとかぶり掛緒を顎にかけて固定するタイプのものが用いられることが多い。
大相撲の行司が着用しているのを見ることができる。